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zoom RSS 『白夜の国のヴァイオリン弾き』

<<   作成日時 : 2018/06/20 20:01   >>

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『白夜の国のヴァイオリン弾き』小野寺誠著 新潮社
 

 1987年の第33回 青少年読書感想文全国コンクールの高等学校部門の課題図書にもなった小野寺誠さんのフィンランドで楽師として過ごした5年間。

「白夜の国のヴァイオリン弾き」
タイトルを声に出してみると、そのロマンチックな響きに、はじめてこの本を知ったときからいったいどんなことが書かれているのだろうととても興味がありました。いろいろと調べていくうちにノンフィクションにもとづくものということがわかってからは、読みたい気持ちがますますつのりました。

自然と人と音楽の交流をヴァイオリンを通じて綴る
小野寺誠さんの、ところどころにペリマンニ音楽に関する情熱の秘められた文はときには詩的で、ときには野生的でまた燃えるようにあつく、ときには哀愁を帯び、その折々の感情の襞にふれては、ひとつの完成された交響曲を聴いたときのように静かで深い味わいに満たされました。共感できる部分も多く読み終えるまでに長い時間がかかったという面では、多分私が今まで読んできた本のなかでベスト3に入ると思います。

彼のベリマンニ音楽との出会いは、ペリマンニ音楽の講座に参加することによりはじまるのですが、はじめての演奏会の風景、温泉の水を紙コップで一同飲むことによりしめくくられるという部分から、こんな風にその土地に深く根ざした音楽というものに寄せて人との絆を深めていくありかたもあるのだと思いました。
ペリマンニ音楽との出会いから白い髪の少女とのロマンスにいたるまでの前半部分はところどころに宝石のように光り輝く言葉が印象的で、大きな年齢差ゆえに戸惑い、かつ妻帯者であることから葛藤する様子は読んでいて胸が切なくなるほどです。

何といってもこの本の大きな魅力は、音楽を愛してやまない著者自らが実際にヴァイオリンの演奏者であることでしょう。奏法の解説や、ペリマンニ音楽とクラシック音楽の比較論は、ときにはクラシックがやりだま?にあげられたりもしていましたが(笑)、嫌味はなく読みごたえがあり楽しいものでした。

また「集まれペリマンニ楽師よ」のなかでのロアパス・ポルカの独奏の情景についての描写は圧巻。思わず手に汗にぎり、まるで耳元に音楽が届いてくるようでした。





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