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zoom RSS 『椿姫を見ませんか』

<<   作成日時 : 2018/06/25 18:30  

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 『椿姫を見ませんか』森雅裕著 講談社
ISBN4-06-202685-6
「モーツァルトは子守唄を歌わない」で第31回江戸川乱歩賞を受賞した森雅裕さんの、音楽をテーマにした今は絶版となっているミステリー作品。

各章のタイトルはいずれもヴェルディの歌劇「椿姫」から名づけられたもの。音楽好きにとって森さんの著書のタイトルは大きな魅力のうちのひとつ。美術学部に在籍する俺(音彦)と声楽科の(尋深)との洒落た会話のやりとりも存分に楽しめました。
まるで客席でステージ上のオペラを鑑賞しているようでした。

森雅裕さんの本は絶版となっているものが多く、「モーツァルトは子守唄を歌わない」の原作をもとにした有栖川るいさんのコミック版を買い求めて読んだときに、あまりに探偵役のベートーヴェンとその相棒のチェルニーとのやりとりが面白かったので原作で読んだらどんなに面白いだろうと思っていました。 


退廃的な雰囲気を漂わせる尋深は、同時進行で読んだ「椿姫と娼婦マリ」のなかのマリ・デシュプレッシのよう。どこかさめたムードを漂わせ、ときには投げやりとも思えないでもない仕草や言動から、音彦の「何で わざと事をおこしそうな行動をするんだ、この女は」と彼女にむけたひとり言は、デュマの代弁者のようでもあり、印象に残る部分でした。 

中盤から、画材の毒性、マネのの描いたマリー・デュプレシの肖像画の贋作の絡みへと展開、二重焼付け法の鑑定法etc、推理小説の醍醐味を味わいました。芸大の美術学部をご卒業された森さんの書く主人公の謎ときはとても説得力があって、美術界の裏側もちらっと覗かせたりと、とにかく面白いのです。

余談ですが、嬉しいことに、本の一番さいごのページに、「モーツァルトは子守唄を歌わない」を紹介するページがありました。この本はオンライン書店でもカバーの装丁、デザインを見ることがかなわなかったので嬉しいページでした。

森雅裕さんは現在休筆中のご様子ですが、是非また「音楽もの」をひっさげて颯爽と登場し欲しい好きな作家のお一人です。江戸川乱歩賞受賞作家、コピーライター、クラブのピアノ弾き、あるいは写真家と謎も多く魅力にあふれた作家です。

実在の人物も登場する時代背景のからんだ面白さ。ときおりでてくるクラシック曲、さしづめ物語りを舞台とするならばそのなかに流れるBGM効果のように、曲を片隅に浮かべながら読む面白さというものを堪能させてくれた数少ない本のうちの一冊でした。

この原作がもしドラマ化されたならきっとかたときも目も耳も?はなせないことでしょう。

 




椿姫を見ませんか
講談社
森 雅裕


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