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zoom RSS 『青の美術史』

<<   作成日時 : 2018/06/19 08:27   >>

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『青の美術史』小林康夫著  平凡社

読んでいて先ず最初に感じたことは「創造者たち 現代芸術の現場」や「大学は緑の眼をもつ」と同じ著者の小林康夫さんとは随分と印象が違っていたということでした。

「いつか青にたいするタイトルをもった本を書くことが夢だった」という。
「自宅の窓から夏空の青を眺めつつ、この本を出版するまでの作業はとても楽しい仕事だった」と本文中にあるように、青という色に情熱をもった著者が綴るとめどなく展開する青い色のもつ世界にたまらない魅力を感じながら読んだ本です。絵画の写真も豊富に収録されているので解説されている文からその色を想像するのも楽しいものでした。

余談ですがマネのアルジャントゥイュを見て映画タイタニックを連想していまいました。モノクロでこれだけ海を感じ潮の香りにつつまれるような錯覚を覚えるほどだからカラー版でみることができたならどんなに素敵な絵でしょう

表紙の絵は、セザンヌの「サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」

 

青の美術史 (平凡社ライブラリー)
平凡社
小林 康夫

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『創造者たち 現代芸術の現場』小林康夫著 講談社


 新本で入手することは難しく、古本屋さんで買い求めました。12人の芸術家たちと東京大学教養学部教授、小林康夫さんとの「創造」をめぐる対談集です。
登場する12人の芸術家は、森村泰昌、天児牛大、黒田アキ、内藤廣、宮本隆司、三宅一生、田窪恭治、吉増剛造、田原桂一、辻けい、近藤譲、タナカノリユキ各諸氏。

黒田アキさんの作品をもとにデザインした表紙にグレーに白抜きの文字「感性は場のなかにある」が目をひく帯。

本のなかほどに登場するアーティスト達の代表的な作品が数点収録されているページがあるのですが、写真フェスティバル春の祭典の招待作品、田原桂一さんの1994年の「ガラスにシルバー・プリント」、
田窪恭治さんのサン・ヴィゴールド・ミュー教会の入り口壁画、93年に芸術選奨文部大臣新人賞 内藤廣さん建築された建物の内部、時間の流れのとまったような天児牛大さんのパフォーマンス、森村泰昌さんの「美に至る病」女優になった私よりの作品、赤を背景にした裸婦にかけられる照明とのコントラストが、美しさを際立たせていました。
美しさといえば、内藤廣建築設計事務所の高い天井と竜骨状の梁の写真から東大の駒場の講堂の写真を連想しました。世界的な芸術家の森村泰昌さんが7年目の浮気の衣装をまとったマリリンとして数10分に及ぶ学生たちを前にパフォーマンスをしたことで有名なあの場所です。白いマリリンがモノクロの写真におさまるそのセルフポートレートはその白さが際だって目をひくものがあり、背景となる建物の内部の照明の構造がまるでタイムトンネルを思わせるような時をこえた雄大さを感じさせていました。講堂の広さをも美の世界にひきこむアーティスト森村さんの存在感は本当に凄いと思いました。

対談集を読んでいるときは、そのときそのときのその人の言葉がいきいきと伝わってくるようでとても好きな時間です。

小林さんのお言葉のなかに「光りは芸術の解釈である」というのがありましたが
「どんな意味なんだろう・・・・」「う〜ん・・・・」「・・・」とうなりながら読んだページも沢山ありましたが、それぞれ対談の先頭ページに写真が掲載されているのも嬉しかったりととにかく面白い本でした。

素晴らしい芸術を創造されるアーティストの方々の珠玉の言葉にふれることのできる対談集です、感動の一冊でした。

 

創造者たち―現代芸術の現場
講談社
小林 康夫

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『帰ってきたソクラテス』池田晶子著 新潮文庫


 「新潮45」に1992年8月から94年3月に連載された帰ってきた?ソクラテスとの対話シリーズ。登場人物はテーマによっていろいろ、性を語ろう女たちの会代表として、あのクサンチッペも。
 

『ナジャ」』アンドレ・ブルトン作 巖谷 国士訳 岩波文庫

 パリの町で出会った若い女性ナジャとともに過ごしたブルトンのドキュメント作品。訳者の巖谷 国士さんの解説によるとブルトンは70歳近くになってから実に35年以上も前に書かれた作品に300箇所以上の訂正を施したそうです。その1963年のブルトンによる全面改訂版に基づいた新訳の岩波文庫(2003年7月16日第1刷発行)の「ナジャ」です。パリのモーベル広場の写真や、「恋人たちの花」、ほかに切り絵、ナジャのデッサン絵葉書に裏に描かれたデッサンなども収録されています。



『大学は緑の眼を持つ』小林康夫著 未来社

 オンライン書店で4〜6週間待たなければいけないということで、毎日首を長くして待っていましたら予想していたよりも案外早く手に入れることが出来ました。
先ず最初に読んだのはいちばん読みたかった「大学は緑の眼をもつ」のなかの「Mの降誕」。 1993年の4月東大の講堂で行われた森村泰昌さんのパフォーマンスについて、そのときの様子が詳しく書かれています。
本の表紙は、「開け放した窓、風に揺れるカーテン、古い木製の机と椅子、オフホワイトの壁」と放課後の教室のようなアイテムがそろって・・・と、けれどもよく見てみると・・
装丁、裏表紙ともにとても洒落ています。

タイトルの「緑の眼」は著者が翻訳しているマルグリット・デュラスのエッセィ集「緑の眼」から名付けられたそうです。あとがきー知もまたオペラのようにーのなかにそのことについて書かれています。タイトルの「緑の眼をもつ」とはどういう意味なんだろうとずっと考えていたので少し謎が解けたような気がしました。

内容は三部 「大学は緑の眼をもつ」と「大学を開くー(知の技法)をめぐって」と
「大学の(楽しみと日々)」

「大学の(楽しみと日々)」のなかには興味深いことが沢山書いてありました。
祝祭狂乱の1週間ー1994年6月ーは日記形式。
レンブラントやモーツァルトについてのエッセィ
絵葉書の紹介も。

「あとがきー知もまたオペラのように」
ではこの「緑の眼をもつ」がどのような経過を経て出版にいたったのかについてもふれられており、内容について解説されていますので本を読む上での手引きになるのではないでしょうか。 あとがきを読んで心に残った一節があります。
「大学を開く」などと言ってはいるが、いや、まずなによりもわたし自身を開くことが問題だったのだと」(あとがき205頁より抜粋)という一節。

「大学は緑の眼をもつ」この本は森村泰昌さんの本を通して知った一冊。
読み終えて何らかのテーマを持ってつながった本を読むのはとても面白いと思いました。

 

 
大学は緑の眼をもつ
未来社
小林 康夫

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